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【知らずに損してるかも?】アセマネ経験者が解説する投資信託の仕組み

ラフロク
こんにちは。ラフロクです。この記事では、金融商品のひとつである「投資信託」の仕組みについて解説しています。私はアセットマネジメントという投資信託を運用している会社に勤めておりましたので、その経験をもとに、普段あまり意識されていない点も含めて解説しますので、今後の資産運用に役立ててください!

こんな方におすすめ

  • 投資信託の仕組みを知りたい方
  • 資産運用に興味がある方

 

投資信託とは

投資信託とは、アセットマネジメント(運用会社)によって作られる金融商品のひとつです。

複数人から資金を集め、ファンドという形で株式や債券などの金融商品に投資して資産を増やすことを目的としています。

投資信託は、一日に一度「基準価額」という形でその時点での価値が決まり、その金額で購入や売却を行うことができます。

投資信託には、個人で株などの金融商品に投資することと比較して、以下のメリットがあります。

・分散投資ができる

・少額から投資ができる

分散投資ができる

分散投資というのは、複数の銘柄にまとめて投資できるという意味です。

投資の世界において、このような格言があります。

「卵を一つのかごに盛るな(Don't put all eggs in one basket)」

これはたくさんの卵を一つのかごに入れてしまうと、そのかごを落とした時にすべての卵が割れてしまうという意味を指しています。

このことを投資に当てはめると、1つの銘柄のみに多額の投資をしてしまうと、その銘柄が下落した時の損失が大きいということです。

投資においては、一般的にリスク分散が重要であると言われています。

複数の銘柄に分けて投資することにより、どれか1つの銘柄の価値が下落した時でも損失が抑えられるということです。

投資信託は、ファンドに集めた資金を通常複数の銘柄に分けて投資していますので、投資信託を購入することは自然と分散投資をしていることに繋がるのです。

少額から投資できる

投資信託は、最低100円から購入することができます。

通常株式などを購入する場合、銘柄ごとに最低単元株数というものが存在しています。

トヨタ自動車を例にすると、1株の株価が約1,900円(2023/1/28時点)、最低単元株数が100株なので、最低でも190,000円(1,900×100=190,000)の資金がないと購入することができません。

しかし投資信託の場合は、極端な例を出すと1,900人の人がそれぞれ100円を出し合うことで、トヨタ自動車の株を購入することになりますので、1人100円でトヨタ自動車の株式に投資できることになります。

このように、複数人で資金を出し合うことにより各銘柄に投資ができるので、まとまった資金がなくても購入できるという点が投資信託の強みになります。

投資のプロに資産運用を任せることができる

資産運用をする上で利益を得るためには、金融商品の銘柄選定が非常に重要です。

しかし銘柄選定は非常に高度な知識を必要とします。

またインデックス運用と呼ばれる「日経平均」や「トピックス」、「S&P500」などの指数の動きと連動した価格変化を再現するためには、その都度保有している銘柄の入れ替えが発生するのですが、その調整もまた難しいです。

そういった一般人には難しいことを、運用会社(アセットマネジメント)が代わりに行っています。

運用会社(アセットマネジメント)は資産運用のプロであるため、投資信託を購入することで、プロに投資を任せることができます。

何かのサービスを受けるということは、当然手数料がかかることになりますので、その点は投資信託における注意点でもあります。

 

投資信託の仕組み

ここからが本題である投資信託の仕組みについての解説です。

ちまたでは「とりあえずS&P500に投資しとけ」など言われていますが、投資信託は仕組みや特性を知っていないと意外なところで損をすることにも繋がりかねません。

この記事を読んでくださる方には、ぜひ脳死で投資信託を購入するのではなく、しっかりと仕組みを理解した上で資産運用に取り組んでもらいたいと思います。

投資信託の種類

投資信託には大きく分けて「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類が存在しています。

「インデックスファンド」というのは、金融市場における「日経平均」や「S&P500」と呼ばれる各指数の動きと同じ値動きをすることを目的とした投資信託です。

一方「インデックスファンド」以外のものを「アクティブファンド」と呼び、決まったルールはありませんが、共通して「インデックスファンド」の利回りを超える成果を出すことを目的とした投資信託になります。

この説明だけを聞くと、「アクティブファンド」は「インデックスファンド」より儲かる可能性が高いと感じるかと思いますが、実際はそんなに甘いものではなく「アクティブファンド」8割は「インデックスファンド」の成績を下回る結果というデータが出ています。

なぜほとんどの「アクティブファンド」は「インデックスファンド」に勝つことができないのか、その理由は手数料にあります。

「インデックスファンド」は、指数の動きに連動するのが目的のため、銘柄を選び必要がなくある程度機械的に運用されているのでコストがあまりかかっていません。

しかし「アクティブファンド」の場合は、そのファンドを運用する人(ファンドマネージャー)がどの銘柄に投資すべきかをあらゆる分析に基づき選定する必要があるので、その分コストがかかるため手数料も高くなります。

投資信託は基本的に長期間運用するものなので、手数料が高い分、「アクティブファンド」長期的に見た時の成績が「インデックスファンド」に劣ってしまうのです。

投資信託が作られるまで

続いて、投資信託が作られる過程について解説します。

投資信託は、大きく以下のような流れで運用会社によって作られます。

  • 市場のニーズ調査
  • 運用方針の検討
  • ファンドへの資金集め
  • 各銘柄への投資

投資信託は基本的にそれぞれテーマが決められており、また、実際に投資してくれる人がいるかの市場調査も行われた上で作られます。

目標としていた資金が集まることを確認できたら、次にどの資産(株式や債券、デリバティブなど)をどんな配分で投資するのかや、手数料をどれくらいにするかを決定します。

投資信託は、最初に定めた運用方針と違う投資を行うことは原則できず、万が一方針が変更となる場合は約款変更という形で投資家に周知する必要があります。

各投資信託の運用方針は、販売会社である証券会社や銀行、運用会社のホームページなどで目論見書として確認することができます。

そのファンドがどんな運用をするのか確認もせずに投資することは、損をする可能性が高まりますので必ず少しだけでも目を通すことをおすすめします。

基準価額の計算

投資信託というのは、株のように一日の間で価格が変化することはなく、1日に1回決まる基準価額によって売買する金融商品です。

その基準価額は以下のような式によって計算されています。

基準価額 = 純資産総額 ÷ 受益権口数 × 計算単位

具体的な数字を当てはめるとこのような形です。

10,078(10,077.2262) = 102,304,000 ÷101,520,000 ×10,000

知らない用語ばかりで少し難しいと思いますので、それぞれ解説します。

純資産総額

純資産総額というのは、簡単にいうとその投資信託が投資しているものをすべて現金にしたらいくらになるかという価値を表しています。

投資信託は、基本的にすべての資金を何らかの形で投資することがルールで決められているため、現金はほとんど残っていません。

※現金がぴったりゼロになるように投資することは現実的にできないので、やむを得ずいくらか残ってしまう現金は「コールローン」や「金銭信託」という形で運用されます。

つまり投資信託の純資産総額を計算するには、資産の大半を占める株式や債券などの金融商品を現金に換算する必要があります。

その現金に換算するときのルールは投資信託協会によって定められており、具体的には国内株式であれば当日の終値(株式市場が閉まる15:00時点の株価)、外国株式であれば直近で知りうる終値(外国の株式市場は日本時間の夜中に開いているので、通常は前日の最終株価)ということになっています。

また外国の金融商品であれば、その価格は日本円ではなく各市場の外国通貨になるため、外貨を日本円に換算する必要もあります。

外貨から日本円に換算する時は為替レートを使いますが、その時のレートは投資信託協会によって毎日定まられたものを使う必要があるのです。

そのため各投資信託の純資産総額を計算するためには、各資産(国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、デリバティブ商品など)のルールに基づいて採用する時価を定め、さらに外貨は為替レートにより日本円に換算することが必要になります。

それ以外にも純資産総額に大きく影響はしませんが、株式の配当金や債券の利金などの入金、手数料の支払いによる出金もあるためこれらも考慮されています。

受益権口数

受益権口数とは、投資信託を購入した人が持っている口数の総数を指しています。

投資信託には、保有している証として口数という単位が使われています。

投資信託が最初に作られたときは1口1円から始まり、その後毎日基準価額の計算が行われる中で金額が上がれば1口の価格が1円以上に、下がれば1円以下へと変動します。

最終的に投資信託を売却するときには、保有している口数を基準価額で掛け合わせた金額が売却価格となるわけです。

投資信託は売買されることによって、そのファンドの現金も増えたり減ったりすることになるので、基準価額を計算するためには日々売り買いされることによる口数の増減も反映させる必要があるのです。

計算単位

計算単位については、基本的に10,000と覚えておけば問題ありません。

公表される基準価額が何口当たりの値かを表しており、10,000以外となっているファンドは少数なのであまり意識する必要はありません。

投資信託のコスト

ひとつ前で基準価額の計算について解説しましたが、ここである疑問が湧く人もいると思います。

それは、計算方法がルールによって決められているということです。

基本的なルールが同じとなると、「S&P500」を対象と指数としている「インデックスファンド」は複数の運用会社から作られていますが、投資内容が同じであれば何が異なるのでしょうか。

その答えは、手数料(信託報酬)です。

投資する対象が全く同じである場合、差が出るのは手数料の割合になります。

投資信託の手数料は純資産の○○%という形で決められており、実はファンドが決算を迎えるタイミングで資金から引き落とされています。

その他にも、ファンドを運営するためには監査法人へ支払わられる監査報酬や、外国の資産へ投資する場合に発生するカストディフィ―などがあり、これらは日々のファンド運用の中で定期的に引き落とされているのです。

投資信託の分配金

ファンドには一般的な企業と同じように決算があります。

ファンドによっては決算のタイミングで投資信託の保有者に分配金が支払われますが、この分配金について誤解している方が多いと思いますので解説します。

投資信託を持っているだけで口座に分配金が入ってきてラッキーと思うかもしれませんが、投資信託における分配金というのは、支払われるとその分基準価額も下がるので、結局の利益はプラスマイナスゼロです。

基準価額の計算には純資産総額という要素がありますが、分配金が支払われるということはその分の現金がファンドから出金されているので、純資産総額が減り、基準価額も下がるということです。

投資信託の中には毎月分配金が支払われるものもありますが、これは結局のところ投資した資金が少しずつ戻ってきているに過ぎません。

資産運用というのは、複利の力を得られるというのが重要です。

複利というのは、投資した資金が毎年5%ずつ増えると仮定した場合に、100万円が最初の1年で105万円になるので50,000円増えているのに対して、2年目は105万円の5%で52,500円、3年目は1,102,500円の5%で55,125円のように毎年の増えていく金額が大きくなっていく効果のことを指しています。

投資信託は、長期間運用することで複利の効果によって大きく資産の増加を見込むことができますが、毎月分配ファンドのように定期的に取り崩しが発生すると、その複利効果を得ることができなくなります。

一概に分配金が悪いというわけではありませんが、分配金の特性を知っているかどうかでその後の資産形成に影響があることは事実なので、理解しておくのが良いと思います。

投資信託は今後の資産形成にとって重要

投資信託について、理解することはできたでしょうか。

少子高齢化の現代においては、年金や退職金がこれまで通り入ってくるとは限らないので、個人での資産運用が非常に重要です。

また世間では「おすすめの投資信託」や「とりあえずこれを買っておけ」というような情報で溢れていますが、意味も分からずに鵜呑みにして投資信託を購入することは避けた方が良いです。

中には手数料が高いものであったり、価格の乱高下が激しいものなどありますので、それぞれ内容を理解し、納得した上で購入する方が騙される可能性が少なくなります。

ぜひ、今後の資産形成に役立ててください。

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  • この記事を書いた人

ラフロク

外資系企業勤めの30代会社員。 お得な情報、生活が改善される情報を日々収集して取り入れています。 趣味:サウナ、筋トレ 資格:証券アナリスト、簿記2級、サウナ・スパ健康アドバイザー(2022/3/7サウナの日に取得)

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